本質を取り扱うのであるから、たとえば鉄片を加工して針金や釘(くぎ)、小刀、銃身、橋桁(はしげた)その他各種の鉄製品としても、物質としての鉄は変わらず、形が変わっただけの物理変化であるから、これらは化学の対象ではない。
また森林から木を切り出して材木とし、それで机や家具その他の木製品をつくったとしても、それも木の形が変わっただけで木の本質、すなわちセルロースの分子がリグニン(炭素、水素、酸素などの原子が化学結合によって結び付いた分子からなる)で固められていることはまったく変わっていない。
大理石などの石材を加工して形を整え、建設材料や装飾品などに使用しても、大理石を構成している主成分の炭酸カルシウムは変わっていない。
このように形が変わったり、位置が変わったりするような変化は化学では取り扱う対象ではない。